なべさんのメモ帳

悩めるひよっこスクラムマスターの備忘録です。日々の悩みや工夫、学び、考えたことを書き留めていきます。

役割や場所問わず、改善や業務推進する上で僕がなんとなく意識しているな〜と思うこと

この記事は、スクラムマスター Advent Calender 2023の18日目の記事です。*1

...が、実は最近スクラムマスターやプロダクトマネージャーではなくセキュリティエンジニアとして働いているのでちょっとテーマから外れてしまう気もするのですが...まぁなんとかなるやろの精神で書いてみることにしました。*2

改めまして、この記事の内容は「(スクラムアジャイルは関係なく)僕が業務を行うときや何かの改善を進めようとする時に意識することが多いなぁ」と、2023年をふりかえって思ったことの紹介となります。

章見出しで内容を想像できるようにしているので、忙しい方は読み飛ばしたり、気になるところだけ見ていただくのでも嬉しいです。

自分が思う3割ではなく、その場所で3割だと思われるラインを探る

手戻りや認識相違などをゼロに近づける努力はしつつも、完全にゼロすることはできません。

そのため、ちょっとずつ進めて頻繁に確認して間違いを明らかにしたり、大きなところや不安なところからちょっとずつ合意して積み重ねていく進め方を取るのが基本的には好みです。

ただこの時に「自分が思う3割」で確認しようと思うと、メンバーからしてみると「もっと進めてまとめて確認してほしいなぁ」のようにギャップがある場合があります。

その背景には、人や組織のそれまでの経験や文化だったり、単純に忙しさだったり、作業のイテレーションの長さなどに寄る事があるんだろうなぁと。

ですので、できるだけ手戻りを減らしていこうと思うのであれば、まずはその場所での3割のラインを探ると良いなと思っています。*3

「既にみんなが認識している問題」から取り組む

期待されている働きによってはその限りではないと思いますが、新しい組織やチームと関わる場合には「みんなが今その瞬間困っていること、負を感じていること」をどうにかできないかなぁ〜と優先的に考えることが多いです。

情報収集・分析していくと、「受け入れられているボトルネック(のようなこと)」に気付くことがありますが、はじめからそこに着手しようと思っても協力を得難く、元々期待されていることに取り組む時間をもそこに費やしてしまうことになるので、ネガティブな状況に繋がりかねないなとも。

ただ上記のような大きな問題は完全に忘れ去ってしまうのも違うと思うので、1on1だったり雑談のようなゆるい場所で「こんな状態になったら更に幸せになりそうですよね〜」のように話しておくくらいが、はじめはちょうど良いのかなぁと思っています。

同意を求めすぎない、自信があれば実行しちゃう

↑と似ていてちょっと違うのかなぁ?と思っているのですが、以下の条件全てに当てはまる場合、価値を感じられる状態まで進めて「こんなことをサクッとやっちゃいますね〜 or やってみました!」と進めることがあります。

  • 影響範囲が狭く限られている
  • リスクが無い、少ない
  • 良い状態になるイメージ、自信がある
  • サクッとできる

というのも、仕事をしていると細かい改善をどんどんやりたくなっちゃうのですが、その度に全てで事前確認・相談をしようと思うと逆に自分が大変になってしまうなと。そういう文化に自分がしてしまうなぁと。

受入条件やSMARTゴールに想いを馳せる

MTGネクストアクションの議論になったり、新しい仕事を依頼されたときなど、多くのシーンで意識していることが多いな~と思います。

これも全てに当てはまる訳ではないのですが、ネクストアクションが曖昧だったりすると「予定していたAという作業自体は行ったが、他の人が作業を進められる状態ではない」ということが起こりうるなと。

とは言いつつも、毎回受入条件やSMARTをかっちり明確にしているという訳でもなく、「いま話しているこのタスクは、何がどうなったら完了したってみんなが思えるかなぁ〜」と想像して、不安なところがあれば明確にしていくくらいのことが多いかなと。

次の1週間で何をして、その結果どうなると思っているのか?をざっくり共有する

(上の章とも近いのですが)自分が受け持つ仕事があるとき、ただ「Aを進める」ということをチームと共有するのみだと、いざAが完了したときになってはじめて次のアクションが検討されて動きがストップしてしまったり、思っていたアウトプットと違う、ということがあるなと思っていて、共有が不足しているなと思っています。

計画を立てることを求められていようがいまいが、期間を短く区切って「次の1週間では何をどこまでするつもりで、その結果何がどうなって、どんな状況になると思ってる、Aさんに○○をお願いできると思っている」を、ざっくり共有してから取りかかるようにしています。

チーム内での安心感も得られると思いますし、アウトプットの内容、優先順位、スケジュール等で認識相違がある場合に早めに調整ができて、無駄がなくて良いなぁと。

相手が心配しなくてすむように、意図を伝える

何か新しいこと(普段の業務とは違うこと)をやろうとしたり、誰かの提案や相談に対して質問や意見を述べる時など、「自分がなぜそれをしようと考えたのか、なぜその質問をしようと思ったのか?」が相手に伝わることを気にしています。

それは、相手が僕の発言や提案で不要な心配事をできるだけ抱かなくても済むようにしたいからです。

なので、伝える際にはただ意図を伝えるだけではなく、相手が「この人(僕)が何を気にしていて、それを確認するためにこの発言をしているのだな」ということがわかりやすい受け取りやすい伝え方を、できるだけ心がけるようにしています。

そのため、必要によっては意図の前に感謝や賞賛の言葉を述べたり、進めることに対して合意していて協力したいスタンスであることを明示することを先に行うことはあったりします。 (ありがとうとか、めっちゃ良さげでびっくりしました!とか、そういうゆるい感じ)

遡るのが可能な範囲で大元の意図を知ろうとする

上の章と逆パターンなのですが、新しく仕事を依頼されたり質問されたときや、一見するとちょっと無駄が多いのではないか?と思えるような作業やフローに出会ったときなどに、可能な範囲で大元の意図を知ろうとしています。

「可能な範囲」という点が結構大事だなぁと思っていて、最初から全体を知ろうとしすぎてしまうとそれはそれで目先の仕事が進まなくなるので、パッと知れる範囲まで把握して、それ以上は「いまは、わからない」ことを受け入れて最善を尽くすことも必要だろうなと。

これを繰り返していくと、次第に点と点がつながって「あぁ、こういうことなのかなぁ」と思えるようになってくるなと。

何を期待しているのかを想像してみる

上と似ていてちょっと異なるのですが、仕事の相談をされたときに、「なぜこの人は僕に話をしたのか?」「僕が何をして、どんな状態にすることを期待しているのか?」を、ちょこっと想像しています。

「授人以魚不如授人以漁(魚を与えるより釣り方を教えた方がいいよね)」という言葉がありますが、全ての場合で釣り方だけを教えるのが正解とは限らないと思っています。

釣り方を教えたら為になるのは間違いないと思うのですが、当人にとっては飢えで切羽詰まっていたり、他にもたくさんやることや覚えることがあって釣ってる余裕がない、という状況にはよく出会うなと。

なので「いまどんな状況で、どうして僕に相談してくれて、何を期待しているんだろうか?」をちょこっと想像して、もし余裕があれば「魚そのものと釣り方なら、いまは魚そのものが急いで欲しい認識であってる?」を確認してから対応するようにしています。

ファクトは、用法容量を意識する

ファクトって基本的に必要だし正しくて魅力的な響きをしているので、永遠にファクト集めができてしまうんですよね...収集癖がある方は尚更かもしれませんが...

ただこれも、目的や量を意識せずに集め始めてしまうと沼るなと...収集癖がある方はご理解いただけると思うのですが...*4

無限にファクトを集めて時間を費やすことになる前に、「何のためにファクトを集めたいのか?」「その目的達成のため・仕事を次のステップに進めるためには、何をどれくらい集めたらよいか?」は、はじめに意識しておくのが大切だなぁと。

ファクトそのものが何かをしてくれる訳ではないので、自分や周囲が納得するのに十分であれば、それでいい場合が多いなぁと思っています。

おしまい

最後になりますが、書いてみたら2023年の自分をふりかえる良い機会だったなと思い、企画してくれた @mienokana さんにはこの場を借りて感謝を。

Advent Calendarはまだまだ続きますので、今後の記事もぜひよろしくお願いいたします。

以上となります。 ここまでご覧いただいてありがとうございました!

少し早いですが、みなさまよいお年を!!

*1:前日の記事が僕の中でのThe Great Scrum Masterである @tyankamo さんの記事だったので非常に恐れ多いのはここだけの秘密です。

*2:脆弱性について知っていく中で、「あれこれってFearless Changeっぽいな」と思ったりすることが増えてきたのですが、それはまた別で書いてみたい

*3:「3割」という数字に特に意味はないので、皆さんが思う「ここまでやったら一旦レビューなり共有なりした方が良いよね〜」と思うラインで読み替えてください。

*4:理解があれば制御できるとはいっていない