ふりかえりで、トライに意識を集中したくない
はじめに & 結論
ふりかえりって、スクラムにおいて大切なイベントではあるんですが、僕は、スクラム関係なくふりかえりそのものが楽しくて好きなんですよね。
そんな僕ですが、ふりかえりを僕がしたり支援をしたりする中で、「あぁ、僕はこういうのが好きなんだなぁ」ということがわかってきた気がするので、残しておこうと思います。
僕は、ふりかえりの場では、トライにあまり意識を集中しない方が好きだなぁと思っています。
どうしてそう思ったの?
ふりかえりをしているとき、以下のようなことがあります。
- ディスカッションが盛り上がっている(盛り上がりはじめた)途中で、話をまとめにかかる。
- 一見するとトライに繋がりにくいもの(大き過ぎる問題や、他部署が複雑に絡むこと、仕事と直結しなそうなことetc)を、とりあえず話し合いの対象外にしたり、無意識にスルーする。
※ 僕のスキル不足で、ファシリテーションや働きかけが効果的でないということはあると思います。
スクラムガイドのスプリントレトロスペクティブのセクションにもこのように記載があるので、時間内でトライを一つ決めて次のスプリントで試してみよう!となることは良いと思います。
自分たちチームの効果を改善するのに一見すると関係薄そうなトピック(例えば、お金が欲しい、朝起きれない、引越し先の家探しが面倒etc)はとりあえず除外するのも、間違って無いんだと思います。
ふりかえりで何か一つトライを決めて実験していくことがとても大切なのは間違いないと思ってはいるのですが、それよりも、チームがチームのことをより深く知っていくということを、僕は大切にしたいと思っています。
仕事でのアウトプット、コミュニケーション以外はほとんど何も知らない人よりも、例えば、どんなことに熱くなる人で、逆にどんな時に一歩引くのか?だったり、仕事を離れたときに何をしているのか?どんな状況なのか?何を考えているのか?何に困っているのか?何が得意で、苦手で、これまでどんなことをしてきたのか?ということを知っていると、話しやすさが全然変わってきます。
知っていく中で、その人のとある部分に強く共感を抱くこともあります。
プライベートを熟知とまではいかなくても、何か少し知っているだけでも違います。
もしそのような状態(お互いのことを少しずつ知り合っている状態)になれていれば、仮にふりかえりでトライまで出なかったとしても、日々の仕事の中でこまめに相談しあえて、問題が起きたらすぐにカイゼンが進みやすくなるなぁと思っています。
正しく理解できているかは自信が無いのですが、ダニエル・キムの成功循環モデルにおける「関係の質」が高い状態のイメージですね。
周囲との関わり方やコミュニケーションといった「関係の質」が高くなると、自然と考え方も前向きになり、目的意識が高まって「思考の質」が上がります。それが人々の積極性や主体性といった「行動の質」を高め、成果が生まれて「結果の質」につながります。すると、ますます関係の質が高くなる、といった循環を指しています。*2
おわり
毎回のスプリントで何かしらトライを出していくのって、実はスーパーエクセレントなことだと思うんですよね…
出せるなら出すに越したことは無いんですが、トライを出すことだけに意識を向け過ぎず、チームがその瞬間いちばん話したいと感じていることを話し合って、「価値観の違い」なども含めて、知り合えるといいなぁと。
そういう時間を、大切にしていきたいなぁと。