はじめに
2020/1/8〜10の3日間でRSGT2020に参加してきました!
熱が冷めないうちに、終了直後の感覚のままで一旦書き残しておくことにします。
(ちょこちょこ書いてはいたが、結局一週間経ってしまった…)
全てのセッションに対して言及しているものではないので、そのようなブログを求めている方は楽しめないかもしれません。
僕の実況ツイートはこちら
Index
Keynote:James Coplien - The Ten Bulls of the Scrum Patterns
十牛図
スクラムを、禅の入門書である「十牛図」になぞらえて解説されていました。
※十牛図は、こちらのサイトが参考になりそう。後で読む。
www.tees.ne.jp
恥ずかしながら、実は聞いている最中は部分部分しか理解できず、あとから参加されていた方と「十牛図は、守破離の守を拡張したようなイメージかなぁ」という会話をして、少し理解することができたような気がしました。
不思議なことに、思い返すたびに少しずつ理解が深まるような、そんなお話でしたね。
現在の位置は?
10枚の牛に関する絵を見せられ、「自分はいまどの位置か?」を問われたが、自分は恐らく4枚目(4ステップ目)の「得牛」が近い、もしくはそこに向かおうとしている段階なのかなという感覚でした。
スクラムを知り、実践して、効果は確かに出ています。が、大なり小なり想定外のトラブルは常に発生していて、まさに暴れ牛と向き合っているような状況です。
ここで印象に残ったのは、どの段階であっても「良い悪いではない。いまの位置を知ることが大切」と何度も繰り返していたことです。
次のステップに進むためには適切な学習と挑戦をする必要があって、それには自分の現在地を正しく知る必要があります。はじめからゴールを目指したくもなりますが、まずは自分にいまできていないことを、一歩一歩進んでいきたいと思います。
Ryutaro YOSHIBA (Ryuzee) - アジャイルコーチ活用術
Yoh Nakamura - みなさんのプロダクトバックログアイテムはOutcomeを生み出していますか?
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ダイヤ - 価値の相対見積もり
「Why」の明確化は極力徹底しているが、優先順位付けへの反映については改善の余地があるなぁと感じていたところ、「価値の相対見積もり」というアイデアを聞いてテンションが上がったのを覚えている。
作業は相対見積もりでできているので、価値に対してもできないことはないなぁと。
また、ダイヤを出すことでROI(1ptが生み出す価値)がわかりやすくなるのも良いですね。
あと単純に、リリース後の結果の計測をまだまだ正確にできていないので、どうにか取り入れて行きたい。
Ikuo Suyama - 見積りしないスクラム / NoEstimates Scrum
見積もりはムダだからやめよう!という話ではない
まさに、聞く前はそんな話だと思っていました(笑)
見積もりには価値があるが、弊害があるのも事実。試しに見積もりを(ほぼ)しない状態にしてみた結果から、見積もりについて考えるきっかけになればとのこと。
このセッション(no estimate)の重要なところはPBIの適切なサイジングにあり、適切に分割された作業は似たような作業規模になるから、結果的に1スプリント内で完了するPBIの数は一定になってくる。という考えです。
実際、僕たちのチームでもスプリントに取り掛かるうえで見積もりが大きいものは分割していますが、同じような見積もりに収束し、やはりスプリント内で完了する数もほぼほぼイコールになっていました。
若干のズレはあるものの、それこそパーキンソンの法則やコミット圧力が働いている可能性も否定できないので、見積もりをすること(数値化すること)によるデメリットを考慮したら、no estimateもあながち難しいことでは無さそうだと思えるようになりました。
分割するときのルールは若干定める必要はありそう(分割すると管理大変だからこのままで、的なのはあるので)ですが、それさえチームで統一できてればすぐに始められそうですね。
と、本当に見積もりについて考えるきっかけになってしまったので恐ろしいスライド…!!!!!
Keynote:Michael Sahota - Lost in Translation: The Manager’s Role in Agile
day1 のCoplienさんからこのセッションの流れというのが本当に感動的で、感想を一言にするとこんな感じ。
地平線の彼方にある理想郷にたどり着くためのめちゃくちゃ壮大な話だった。
— なべさん@スクラムマスター (@watanabeisan) January 9, 2020
課題はデカイが、これまでの吐き出しにくいもやもやが丁寧に言語化された感がある。
#RSGT2020
スクラムの壁
あるべきとされるスクラムを追い求めようとするとどうしてもぶつかる壁、とくに「組織」と「マネージャー」についてのセッションでした。
スクラムチームは自己組織化されたチームであるべきとされています。自分たちで全部考えて問題解決に動けちゃうチームですね。ということはつまり、チームに「動けるだけの権限」が委譲されているべきなのですが、実際にそうなっているチームはそう多くありません。なぜなら、チームの外にはマネージャーが存在していて、権限を適切に委譲できていないからです。
これまでの組織でのマネージャーは権限を持ち、チームやプロジェクトを管理することが求められていましたし、実際にその必要がありました。
が、自己組織化されたチームでは、それらのことを自分たちをマネジメントしはじめますので、コンフリクトが起きてしまいます。
つまり、チーム単体でスクラムを徹底することはできず、マネージャーや組織に理解してもらう必要があるということになります。
チームは、権限を委譲してもらえるだけの信頼を構築するよう努める必要があり、マネージャーは、(一度には難しいので)少しずつ権限を適切にチームに委譲していくことが求められます。
そして、マネージャーはチームやプロジェクトを管理することではなく、マネージャーにしかできない別のことにフォーカスしていく必要があります。
例えば、チームの評価は当然チーム内ではできないのでマネージャーに頼ることになりますし、全体的な組織運営も、よりフォーカスすべきことの一つかもしれません。
いかに変わっていくか?
セッションの中では、ティール組織を目指していく必要があると紹介されていました。
自分がどのステップにあるのかを理解したうえで、
— なべさん@スクラムマスター (@watanabeisan) January 9, 2020
簡単な次のステップから進めていく
#RSGT2020 pic.twitter.com/qDufHPnNTH
ティール組織…名前は聞いたことあるけどわからん…また一つ学習する必要が生じてしまった…
マネージャーは必要
誤解の無いように補足しておくと、「マネージャーが悪いんだ!マネージャーはアジャイルな組織にいらない!」ということを言いたいわけではありません。寧ろsahotaさんは「誰一人おいていかない」と宣言しています。
単に、これまでの考え方がアジャイルな組織にはそぐわないだけなのです。アジャイルな組織にしていこうとするのであれば、「これからはこのような考え方が必要で、こんな役割をしてほしい」ということを伝えて変化を促す必要があります。
マネージャーは必要です。ただ、担う役割が変わってきているのです。
スクラムは理想郷
スクラムガイドはとてもシンプルに書かれているし、実行も容易そうに見えるんですが、実際に徹底しようとすると至るところで問題が噴出します。
できていないことの方が断然多いですし、こういったセッションではあるべき姿の話題が多いので自信を喪失しそうになっていましたが、理想と現実を切り分けて考える良いきっかけになったと思います。
理想郷を目指し、現在の位置から一歩ずつ着実に歩んでいきたいと思います。
備考
Matteo Carella - ORGANIC agility®: an evolutionary approach to organizational resilience でも、以下のような似た話がありました。
よくある誤解:Agileはチームでやるもの
— なべさん@スクラムマスター (@watanabeisan) January 9, 2020
Agileは、チーム(全体の一部)だけで適用すればいいものではない。
始まりから終わりまで適用するべき#RSGT2020E #RSGT2020
YWT
最後に、セッションの内容以外のところもYWTふりかえりしてみます!
Y:やったこと
- RSGT参加の実績を解除
- セッションは極力Twitter実況した
- 勇気を出して見知らぬ方に話しかけてみた
- SNS上でしか見たことなかった方々と出会えた
- 新たに8名くらいの方と繋がることができた
- OST初参加!
- 及部さんのセッション以外、最前列をkeepした
- セッション終了後、登壇者の方に時間をいただいて具体的な話をきいてみた
- 時間外で @viva_tweet_x さんにふりかえりの相談をした
- コーヒー3杯 / day は頂いた
- day3 は知り合えた方とふりかえり飲み会へ行ってみた
- jobボード貼ってみた